2026/01/27 18:00
こんばんは。
2026年1月27日(火)
民法第51問 遺 言
1 総 評
本問は、遺言に関する民法の条文及び判例の知識を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ウ、肢エ及び肢オです。これらは、遺言の撤回に関する知識ですが、その中でも、肢ウ及び肢エについては、過去の本試験において問われたことのある知識になります。遺言の撤回は、不動産登記法の記述式においても題材としやすいものなので、どのような登記の申請をしていくかを意識できれば、なおよいと思います。
民法第51問は、教授と学生の対話問題の形式をとってみました。対話問題になるとキーワード等を隠しやすくなります。近年は、対話問題の出題数が減る傾向にありますが、まだまだ出題には注意が必要です。
2 各肢の簡単な講評
ア 「特定財産承継遺言」の類型を問うものです。特定財産承継遺言の意義は、民法1014条2項で確認してください。そして、「全財産を甲に2分の1、乙に2分の1の割合で相続させる」旨の遺言も特定財産承継遺言に当たります。当該遺言の効力が生ずると、個々の相続財産は、遺産分割を介することなく、その指定された相続分に応じて直ちに物権共有の状態になります。
イ 特定財産承継遺言に係る遺言執行者の預貯金債権の払戻し等の権限を規定した民法1014条3項の知識を問うものです。同条3項は、平成30年の民法(相続法)改正によって新たに設けられた条文であり、金融機関等が遺言執行者の請求に問題なく応ずることができるよう、預金の払戻しに関する遺言執行者の権限を明文化したものです。
ウ 遺言の内容が遺言者の生前処分と抵触する場合について規定した民法1023条2項の知識を問うものです。遺言者が生前処分をするに際して遺言の内容を忘れていたとしても、遺言のみなし撤回がされることに注意しましょう。
エ 遺言を撤回する行為が撤回された場合における当該遺言の効力の是非について規定した民法1025条の内容を問うものです。詐欺・強迫のみならず、錯誤によって撤回行為が取り消された場合も、遺言の効力が回復します。なお、行為能力の制限を理由とする撤回行為の取消しの場合は、遺言の効力は回復しません。対比しておさえておきましょう。
オ 第1の遺言の内容を第2の遺言における撤回行為で撤回した場合には、第3の遺言で第2の遺言を撤回したときであっても、第1の遺言の効力は、原則として回復しません。もっとも、第3の遺言で第2の遺言における撤回行為を撤回した場合において、それが第1の遺言の効力の回復を望む趣旨のものであれば、第1の遺言の効力が回復することとなります。 複雑ですが押さえておきましょう。
以上です。おつかれさまでした。
