2026/01/30 18:00
こんばんは。
お詫び
肢エの解説の部分の
「よって、受贈者が贈与者の相続人であるときは、その受贈者は、贈与の目的の価額を超えて、遺留分侵害額を負担しなければならない場合がある。」の部分は誤りです。
受贈者が相続人である場合には、その目的の価額からその相続人が遺留分として受ける額を控除する必要があるため、贈与の目的の価額を超えて遺留分侵害額を負担することはありません。
大変申し訳ありませんでした。
民法第54問 遺留分侵害額
1 総 評
本問は、遺留分侵害額に関する民法の条文及び判例の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢ウ及び肢オです。これらに関する知識のうち肢オ以外のものは過去の本試験において問われたことはありませんが、遺留分の制度を理解するうえで重要な民法の条文知識です。
これからの本試験においては、必ずしも過去に出題された問題が焼き直されて出題されるとは限りません。五肢全部が過去に出題歴のない条文や判例に関する知識である場合もあり得ると思います。ただ、条文知識に関する問題については対策ができるので、過去に出題されたことのある条文の周辺を中心に当たっておきましょう。
2 各肢の簡単な講評
ア 受贈者が複数ある場合における遺留分侵害額の負担について規定した民法1047条1項3号についての知識を問うものです。同条1項3号における「前」や「後」は、時間の経過のことを指しています。「前」は遠い昔、「後」は現在に近い過去と考えていただければ大丈夫です。つまり、複数の贈与が同時に行われた者でない場合には、より現在に近い過去の受贈者から順次昔の受贈者が負担すべきものなります。
イ 遺留分侵害額請求をすることができる者を問う問題です。遺留分侵害額請求権の請求権者は遺留分権利者及びその承継人であるものとされています。遺留分権利者の地位を代襲する者もその請求をすることができます。なお、相続人の欠格事由に該当する者、廃除された者や相続の放棄をした者は、相続人ではありませんから、遺留権利者には当たりません。
ウ 遺留分侵害額請求権の時効による消滅について規定した民法1048条の知識を問うものです。前段の「1年」は消滅時効、後段の「10年」は除斥期間であるものと解されています。したがって、相続開始の時から10年を経過すれば、遺留分侵害額請求権は、無条件に消滅することとなります。
エ 深入りする必要はありません。原則として、受遺者又は受贈者は、遺贈又は贈与の目的の価額を限度として遺留分侵害額を負担しますが、これらの者が相続人である場合には、その目的の価額から遺留分として当該相続人が受ける額を控除した額を限度として遺留分侵害額を負担します。これは、遺留分侵害額請求によって相続人自身の遺留分が侵害されないようにするためです。
オ 遺留分侵害額請求は、裁判上の行使に限定されません。遺留分を侵害する遺贈又は贈与の受遺者又は受贈者に対する意思表示によってすれば足りるものとされています。
以上です。おつかれさまでした。
らく
