2026/02/04 19:56
こんばんは。
不動産登記法第4問 登記の申請人
1 総 評
本問は、各肢に掲げられた登記を申請する場合における登記権利者が誰であるかを問う問題です。本問においてポイントとなるのは、肢イ、肢ウ及び肢オです。登記の申請人に関する問題は3年に一度ほどの間隔で出題されていますが、肢レベルになると毎年のように出題される不動産登記法の重要なテーマです。また、不動産登記法の記述式の問題においても、申請人が登記権利者又は登記義務者のいずれに該当するかが問題となる場面もあり、更に、提供すべき添付情報にも影響を及ぼすため、振り分けを間違えると枠ズレや大幅な減点につながることもあります。
基礎的又は重要な登記が択一式の問題で出題された場合に、どのような申請情報を作成すればよいかを意識するクセをつければ、思わぬミスも減らすことができると思います。
2 各肢の簡単な講評
ア 債権者更改による新債務担保を原因とする抵当権の変更の登記を申請する場合における登記権利者を問うものです。この登記を申請する場合には、旧抵当権者が登記権利者となります。新たな抵当権者を登記権利者にしてしまうと、勝手に他人の抵当権を自己に移す危険があり、これを防止するために旧抵当権者を登記手続に関与させることとしています。なお、同原因による登記は、抵当権の移転の登記によるべきとする見解もありますが、本試験や登記実務は抵当権の変更の登記によるべきものとしているようです。
イ 根抵当権の設定契約や登記をした後においても、その担保すべき元本の確定期日を定めることができます。この場合、「年月日新設」を原因とする根抵当権の変更の登記を申請すべきものとされていますが、当該登記は、根抵当権者を登記権利者として申請します。なんとなく根抵当権設定者が登記権利者となるような感じがしますので、間違えやすいかと思います。
ウ まずは、事例を正確に把握できるようにしましょう。不動産全体を目的として抵当権を設定したが、当該不動産について所有権の一部移転の登記がされたため、抵当権者が譲受人の持分について抵当権を放棄したという事例です。本問の場合、「○番抵当権をA持分の抵当権とする変更(いわゆる“及ぼさない変更”)」を登記の目的とします。そして、この登記は、Dを登記権利者、抵当権者Bを登記義務者として申請します。Aは申請人とはなりませんので注意しましょう。
エ 細かい知識だと思います。気にしなくて大丈夫です。
オ 根抵当権の債務者の変更の登記は、原則として、根抵当権者を登記権利者、根抵当権設定者を登記義務者として申請します。しかし、削除的変更(債務者AB→A)の場合は、根抵当権設定者を登記権利者、根抵当権者を登記義務者として申請します。本問の場合、削除的変更の場合ではありませんので、申請人の振り分けは原則どおりとなります。本問のような債務者の変更(いわゆる交換的変更)の場合には、変更後の債務者Eが発生させる債務の額は、変更前のC及びDが発生させるものより少ないとは限らないからです。
以上です。おつかれさまでした。
