2026/02/06 18:00
こんばんは。
不動産登記法第6問 前提登記の要否
1 総 評
本問は、ある登記の前提として申請すべき登記の要否を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢ウ及び肢エです。不動産登記における前提登記の要否についての知識は、択一式のほか、記述式の問題においても重要なウェイトを占めます。申請すべき登記が1件以上多くなったり少なくなったりするため、合否を分ける知識といっても過言ではありません。なお、本問における上記の肢の知識は、司法書士試験を突破するために必要不可欠な知識です。上記の肢を判断できなかった方は、お使いのテキスト等に戻ってもう一度確認しておく必要があると思います。
2 各肢の簡単な講評
ア 地上権の登記の抹消を申請する場合において、その前に地上権者の住所に変更があったときにおける登記名義人の住所変更の登記の要否について問うものです。所有権以外の権利(買戻権を含む。)に関する登記の抹消を申請する場合には、その登記名義人の氏名若しくは名称又は住所について変更があったときでも、その氏名等又は住所についての変更の登記を申請することは不要とされています。この知識は、司法書士試験を突破するうえで必要不可欠な知識ですので、必ず確認しておいてください。
イ 抵当権者が抵当不動産の所有権を取得したが、その旨の所有権の移転の登記のみをして死亡した場合における相続による当該抵当権の移転の登記の要否について問うものです。実体上は、抵当権者が抵当不動産の所有権の移転を受けた時点で当該抵当権は消滅していますから、相続人への抵当権の移転の登記をしてはいけません。少し細かい知識ですが、本試験の現場で判断できるように実体関係を把握する訓練をしておきましょう。
ウ 所有権の保存の登記を申請する場合には、その表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所について変更があったときでも、その表示の変更の登記を申請する必要はありません。表題登記は、不動産の物理的な状態を示すものに過ぎないからであって、法的地位を示すものではないからです。
エ これも肢イと同様です。相続による抵当権の移転の登記をしてはいけません。抵当権者は、生前にその被担保債権の全額の弁済を受けており、その時点で、抵当権は、実体上消滅しているからです。実体上の法律関係がどのように変動しているかを把握することが大事なことを示す事例と言えます。
オ 細かい知識です。あまり気にする必要はありませんが、農地を売買した場合、買主は、農地法所定の許可が到達した時にその所有権の移転を受けることになります。したがって、農地法の許可がされるまでの間は、当該農地の所有権は相続財産法人に属することになるので、買主への所有権の移転の登記の前提として相続財産法人への氏名変更の登記をしなければならないことになります。
以上です。おつかれさまでした。
