2026/02/10 17:00
こんばんは。
不動産登記法第10問 登記原因及びその日付
1 総 評
本問は、第1欄の事実関係に基づく登記を申請する場合における第2欄の登記原因及びその日付が正しいものを選択させる問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢ウ及び肢オです。登記原因及びその日付をメインテーマとした問題は、過去の本試験においては、令和5年第14問で出題されています。また、令和4年第15問でも登記の原因の適否についての問題が出題されています。登記原因及びその日付に関する問題は、記述式の問題にも直結します。特に、第三者の許可、同意又は承諾が登記原因の日付に影響を与えるものが重要になってきます。第三者の承諾等が法律上要求される場合がこれに当たります。たとえば、順位変更の登記や根抵当権の極度額の変更の登記について利害関係を有する第三者の承諾(民374条1項、398条の5)があります。
2 各肢の簡単な講評
ア 抵当権の順位変更の場合における利害関係人の承諾は、先ほども述べたように、民法374条1項によって要求される実体上の要件です。したがって、順位変更の合意の日付よりも利害関係人の承諾の日付が遅い場合、順位変更の合意の日付は、その承諾があった日をとることになります。
イ ひっかけ問題です。法定相続分の割合による所有権の移転の登記がされた後に、当該不動産を「相続させる」旨の遺言が発見された場合には、これによって当該不動産の所有権を取得した相続人は、単独で、「年月日特定財産承継遺言」を登記原因とする所有権の更正の登記を申請することができます。この場合における原因日付は、当該遺言が効力を生じた日をとります。遺言書が発見された日ではありませんので注意しましょう。
ウ ある不動産について共有名義の所有権の移転の登記がされた後に、その共有者の間で当該不動産につき分割を禁止した場合には、「年月日(合意が成立した日)特約」を登記原因とする所有権の変更の登記を申請することになります。なお、当該登記を申請する場合、共有者の全員が「権利者兼義務者」として申請することとなるため、申請人全員の登記識別情報及び印鑑証明書を提供することになります。確認しておきましょう。
エ あまり聞いたことがないと思いますが、区分地上権を設定する場合において、その土地を使用又は収益する権利を有する者があるときは、その者の承諾が実体上必要となります(民296条の2第2項)。したがって、区分地上権の設定契約の日付よりもその者の承諾の日付が遅いときは、区分地上権の設定の登記の原因日付は、その承諾があった日付をとることになります。余裕があれば、頭の片隅に入れておいてください。
オ 抵当権者が弁済前から行方不明である場合において、弁済期から20年を経過し、かつ、その被担保債権の元本、利息及び損害金その他の定期金の全額を供託したときは、登記権利者(設定者)が単独で、当該抵当権の設定の登記の抹消を申請することができます(不登70条4項後段)。同条4項後段は、主に、明治期等の古い時代に設定された抵当権の抹消の登記の申請をするのに用いられます。この場合でも、弁済としての供託が効力を生じた日付をとって「年月日弁済」とすれば足りるものとされています。私の記憶が正しければ、平成24年あたりの記述式で出題されたことがあると思います。
