2026/02/15 18:23
こんばんは。
不動産登記法第16問 登記識別情報の通知
1 総 説
本問は、登記識別情報の通知について、不動産登記法その他の関連法令の条文及び先例の知識を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢イ、肢ウ及び肢エです。登記識別情報の通知は、①登記の申請人が、②その登記によって新たに登記名義人となる場合に、③その申請人に対して通知されるものです(不登21条)。この定義に当てはまらない場合は、登記識別情報は通知されません。なお、この定義に当てはまる場合にも、登記先例によって登記識別情報が通知されない場合がありますので注意が必要です。なお、本問では出題しませんでしたが、代位による登記がされた場合、代位者にも新たに登記名義人となる者のいずれに対しても登記識別情報は通知されません。非常に重要な知識ですので確認しておきましょう。
2 各肢の簡単な講評
ア 抵当権の被担保債権に質権が設定(抵当権の債権質入れ)の登記がされた場合における登記識別情報の通知の要否について問う問題です。この場合、質権者は、当該登記の申請人(権利者)となり、新たに登記名義人となりますから、登記識別情報が通知を受けることになります。
イ 共同申請によっていわゆる抵当権の及ぼす変更の登記がされた場合に、登記権利者に対して登記識別情報が通知されるかを問う問題です。結論から言えば、登記識別情報は通知されません。したがって、当該抵当権の抹消の登記を申請する場合には、持分に抵当権を設定したときに通知された登記識別情報を提供すれば足りるものとされています。
ウ ウとの比較で押さえておいていただきたい知識です。CからA及びBへの所有権の移転の登記をAからBへの所有権の移転の登記に更正する登記を申請する場合には、Bに対して登記識別情報が通知されます。Bは更正前にAが有していた持分について新たな登記名義人となるからです。なお、所有権の持分のみを更正する登記(例えばA2分の1、B2分の1をA3分の1、B3分の2とする更正の登記)については、Bに登記識別情報は通知されません。
エ 順位譲渡の登記にがされた場合に、譲受人に登記識別情報が通知されるかどうかを問う問題です。この場合、譲受人には登記識別情報は通知されません。譲受人は既に抵当権者として登記記録に記録されており、順位譲渡の登記の申請によって新たに登記名義人となることはないからです。なお、抵当権(のみ)の譲渡又は放棄がされた場合には、受益者に登記識別情報が通知されるので、比較しておきましょう。
オ 登記の申請によって新たに登記名義人となる者が成年被後見人である場合、登記識別情報は、成年後見人に通知されます。この場合、登記の申請人は成年後見人であり、また、成年被後見人は財産の管理能力がないからだと思われます。
以上です。おつかれさまでした。
