2026/02/19 19:52
こんばんは。
不動産登記法第19問 会社法人等番号又は登記事項証明書
1 総 評
本問は、会社法人等番号又は登記事項証明書について不動産登記法その他の関連法令又は先例の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢イ、肢ウ及び肢エです。会社法人等番号又は登記事項証明書についての問題は、過去の本試験において、令和4年第16問イ、令和2年第15問オなどにおいて問われており、その他にも肢レベルでの出題が散見されますが、近年は、大きなテーマとしての出題されることはありませんでした。したがって、今後は大きなテーマとして出題される可能性はあまり高くないかもしれませんが、近年、会社法人等番号が法人識別事項として登記されることになり、その汎用性は高まっています。本問も、その可能性を想定して出題しました。
2 各肢の簡単な講評等
ア 登記の申請人である持分会社の代表社員が株式会社等の他の法人である場合であっても、代表者の資格を証する情報として会社法人等番号を提供するときは、「持分会社」についてのものを提供すれば足り、代表社員である「株式会社等」の法人のものを提供する必要はありません。あくまで、登記の申請人は持分会社であって、代表社員たる株式会社はその機関にすぎないからだと思われます。
イ 吸収合併による所有権の移転の登記を申請する場合には、吸収合併「存続」会社の会社法人等番号又は登記事項証明書を提供すれば足りるものとされています。吸収合併消滅会社のものや合併契約書を提供する必要はありません。吸収合併は、相続と同じく包括承継であり、吸収合併存続会社の登記事項証明書からその事実を確認できれば、吸収合併存続会社への権利の移転が認められるからだと思われます。
ウ 会社法人等番号を有しない法人が登記の申請人となる場合には、代表者の資格を証する情報として登記官その他の公務員が職務上作成したものを提供する必要があります。この場合、当該情報は、作成後3か月以内のものを提供すべきものとされています。登記簿に載る権利関係についてできるだけ現在の者と合致したものを提供させる趣旨だと思われます。なお、会社法人等番号を有しない法人には、町内会等の認可地縁団体や健康保険組合等があります。
エ 令和6年3月22日付で法務省より発出された通達により、所有権の保存の登記、所有権の移転又は所有権の更正の登記(新たに登記名義人となる場合に限る。)を申請する場合において、所有権の登記名義人となる者が国内に住所を有しない者であるときは、その国内連絡先事項を登記することとなりました。そして、国内連絡先となる者について、その氏名等を証する情報の提供が必要となりますが、それが法人である場合には、名称及び住所並びに会社法人等番号を申請情報の内容とすることによって、当該情報の提供を省略することができるものとされました。
オ 令和6年3月22日付けで法務省より発出された通達により、所有権の登記名義人が法人である場合には、「法人識別事項」が登記事項となりました。具体的には、①会社法人等番号を有する法人であるときは、会社法人等番号が、②会社法人等番号を有しない法人であって外国の法律に基づいて設立された法人であるときは、当該外国(設立準拠法国)の名称が、③①又は②のいずれにも該当しないときは、設立根拠法が登記事項となります。もっとも、所有権の登記名義人が国、地方公共団体又は相続財産法人であると
きは、法人識別事項の登記を要しないものとされています。
以上です。おつかれさまでした。
