2026/02/20 17:00
こんばんは。
不動産登記法第20問 代理人の権限を証する情報
1 総 評
本問は、不動産の登記を代理人によって申請する場合の代理人の権限を証する情報について、不動産登記法その他の関係法令及び先例の知識を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢イ、肢ウ及び肢オです。代理人の権限を証する情報に関する問題は、過去の本試験では、令和4年第18問においてメインテーマとして出題されています。また、登記の申請の代理に関する問題も令和7年第12問において出題されています。このように近年では、代理人の権限を証する情報は、出題が増加するような傾向にありますが、それよりも過去にさかのぼってみるとあまり出題頻度は高くないようです。しかし、重要な項目であることには変わりありません。代理人の権限を証する情報は、司法書士に登記を委任する場合における委任状が中心となりますが、その他にも会社等の法人とその代表者をつなぐ会社法人等番号や不在者等とその財産の管理人をつなぐ家庭裁判所の選任審判書等もこれに該当します。
2 各肢の簡単な講評
ア 代理人の権限を証する情報について、その作成期限があるかどうかを問う問題です。基本的に、個人が司法書士等の資格者代理人に対して登記を委任する場合に交付する委任状については、原則として作成期限はありません。もっとも、ここでイメージしていただきたいのは、会社法人等番号を提供しない場合に提供すべき登記事項証明書等の公務員が職務上作成した代理権限証明情報です。この場合には、作成後3か月の期間制限に復することとなります。
イ 資格者代理人が会社等の法人から登記の申請の代理の依頼を受けた場合には、その受任後に代表者が解任等によってその権限を失ったときでも、その代表者が交付した委任状をそのまま当該登記の申請に用いることができます。なぜなら、会社等の法人の代表者は、不動産登記法17条4号の「法定代理人」に当たるからです。登記の申請前に依頼人の法定代理人が死亡した場合であっても、その代理権限は消滅しません。
ウ ひっかけ問題です。資格者代理人が登記の代理申請をする場合において、その委任状に公証人等の認証を受けた場合には、これに記名押印した者の印鑑証明書の提供を省略することができます。もっとも、この場合であっても、登記識別情報の提供は省略できません。ひっかからないようにしましょう。
エ 復代理人によって登記を申請する場合には、その委任状には、依頼者のほか、原代理人も記名押印しなければなりません。これは、依頼者-(原)代理人-復代理人のように、代理権をつなげる必要があるからです。この場合、申請書には、登記の申請を行う復代理人が記名押印することになります。
オ 遺贈は、遺言者が死亡しなければ効力を生じないため、その代理権限を証する情報として遺言者の死亡を証する情報を代理権限証明情報の一部として提供しなければなりません。この点、遺言書保管所に遺言を保管した場合には、遺言書情報証明書を取得することができるようになりますが、この証明書は、遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍(又は国籍等)に加え、目録を含む遺言書の画像情報が表示されるものであって、遺言者の死亡を証する事項は記載されません。よって、遺言者の死亡を証する情報として遺言書情報証明書を用いることはできません。
以上です。おつかれさまでした。
