2026/02/21 18:03
こんばんは。
不動産登記法第21問 不動産登記の添付情報(全般)
1 総 評
本問は、不動産の登記を申請する場合における添付情報全般について不動産登記法その他の関係法令及び先例の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢イ、肢ウ及び肢エです。不動産登記の添付情報を総合的に問う問題は、近年の本試験では、令和7年第15問、令和4年第16問、令和2年第15問において出題されています。不動産登記の添付情報には様々なものがありますが、その中心となるのが、①登記原因証明情報、②登記識別情報(又は登記済証)、③印鑑証明書、④住所証明情報、⑤会社法人等番号、⑥第三者の許可、同意又は承諾を証する情報、⑦代理権限証明情報の7つです。これらがよくでてくるので、これら7つを中心に提供の要否を考えていくことよいでしょう。そして、不動産登記の添付情報について理解を深めるためには、やはり記述式で基礎ができていることが大事になります。
2 各肢の簡単な講評
ア 平成29年5月29日から法定相続情報証明制度がスタートしました。この制度は、相続登記を促進するために設けられたものです。これにより、被相続人の出生の時から死亡の時までの大量の戸籍の束を提出して原本還付を繰り返す必要がなくなりました。また、令和6年4月1日より法定相続情報番号を用いることで、法定相続情報一覧図の写しを提供することを省略することができるようになりました。そして、法定相続情報一覧図に法定相続人の住所が記載されている場合には、法定相続情報番号を提供することで、相続登記に必要な「住所を証する情報」の提供も省略できるようになりました。
イ 一般的に裁判所の許可を証する情報を提供してする登記の申請には、登記義務者の真正が担保されているため、その登記識別情報を提供することが不要になります。これは、感覚として覚えておいてください。
ウ 混同を原因とする抵当権の抹消登記について登記原因を証する情報の提供の要否を問う問題です。混同を原因とする抵当権の抹消登記を申請する場合には、登記記録から混同(登記原因)が生じていることが明らかとなるため、これを提供する必要がなくなります。混同による登記の抹消以外の場合にも、登記原因を証する情報を提供することを要しない場合がいくつかあります。処分禁止の仮処分の登記に後れる登記を抹消する場合や買戻権の登記を登記権利者が単独で抹消する場合等があります。確認しておきましょう。
エ 第三者の承諾を証する情報を提供する場合、当該第三者の印鑑証明書の提供が必要になります。もっとも、この印鑑証明書は、登記の申請意思を示すものではないため、作成後3か月の制限がありません。なお、この場合の印鑑証明書は、第三者の承諾を証する情報の一部として提供するものであり、独立の添付情報ではないことに注意しましょう。
オ 代理人の権限を証する情報であっても、それが公務員の職務上作成したものであるときは、作成後3か月の制限に服します。後見人の選任審判書も例外ではありません。もっとも、後見人の代理権は3か月で消滅する者ではありません。したがって、3か月が過ぎた場合には、後見登記ファイルの登記事項証明書を提供していくことになります。
以上です。おつかれさまでした。
