2026/02/24 16:13

こんばんは。

Regal Labo代表のらくです。
今朝出題した不動産登記法第23問(所有権の保存の登記)の簡単な講評等を公開いたします。
なお、一昨日休載した不動産登記法第22問(原本還付)の簡単な講評等は、後ほど公開いたします。
ご愛読いただいている皆様にはお手数をおかけいたしますが、ご理解いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
らく

不動産登記法第23問 所有権の保存の登記

 総 評

  本問は、所有権の保存の登記について不動産登記法その他の関係法令並びに登記先例及び実例の内容を問う問題です。

  本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢ウ及び肢オです。所有権の保存の登記についての問題は、近年の本試験では、令和5年第16問及び平成30年第20問においてメインテーマとして問われています。このように、所有権の保存の登記についての問題は、一番はじめにする登記でありながら出題があまり多くありません。しかし、所有権の保存の登記は、その他の登記と性質及び申請構造が異なる登記ですので、記述式の問題との関係においても、理解することが必要な項目です。過去に問われている箇所を中心に確認しておきましょう。

 各肢の簡単な講評等

ア 表題部所有者が生前に売却した不動産について、その相続人の名義の所有権の保存の登記を申請することができるかについて問うものです。以前、登記は、実体を映す鏡であるというお話をさせていただきましたが、本問は、まさに実体上の権利変動に応じた登記をすべき場合に該当するものです。表題部所有者が生前に不動産を売却した場合、当該不動産の所有権は、その相続人に帰属することはありません。したがって、死亡した表題部所有者の名義の所有権の保存の登記をした後、買主への所有権の移転の登記をすべきものとされています。

イ 表題部所有者が所有権の保存の登記を申請する場合には、その所有権を証する情報を添付情報として提供する必要はありません。なぜなら、表題部の登記をする段階で当該情報を既に提供しているからです。これと比較しておいていただきたいのが敷地権のない区分建物の所有権の保存の登記です。

ウ 共有不動産について表題部所有者が全員死亡した場合には、これらの相続人全員の名義の所有権の保存の登記を申請することができます。また、当該所有権の保存の登記は、これらの相続人の一部の者が民法252条5項の保存行為として申請することができます。なお、本問の事例においては、亡A並びにE及びF又はC及びD並びに亡Bの名義での所有権の保存の登記(いわゆる「たすき掛け保存」)を申請することも可能です。

エ 表題部所有者について新設分割があった場合でも、不動産登記法74条1項1号を根拠にしてその新設分割設立会社の名義の所有権の保存の登記を申請することはできません。会社分割は、いわゆる包括承継に当たりますが、相続や合併のようにその権利義務の全部が承認に移転するわけではないからだと思われます。

オ 敷地権付き区分建物について、その表題部所有者から直接その所有権を取得した者は、不動産登記法74条2項を根拠として自己名義の所有権の保存の登記を申請することができます。もっとも、敷地権付き区分建物の表題部に共有者として記録されている者の一部のものから直接その持分権を取得した者は、残りの表題部所有者と共有名義の所有権の保存の登記を申請することはできません。この場合、申請根拠条項として不動産登記法74条1項1号と同条2項が混在してしまうからです。この場合には、共有者名義の所有権の保存の登記及び持分取得者への所有権の一部移転の登記を順次申請することになります。

以上です。おつかれさまでした。