2026/02/25 18:03
こんばんは。
不動産登記法第24問 相続の登記
1 総評と傾向
本問は、相続の登記について、不動産登記法その他の関係法令及び登記先例の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢イ及び肢エです。これらの問題に関する知識は、いずれも過去の本試験で問われたことがあるものです。相続の登記について、近年の本試験では、令和7年第22問(遺言執行者による登記)、令和6年第20問(相続登記後の登記)、令和4年第21問(相続又は遺贈の登記)において問われています。このように、相続の登記は、毎年のようにメインテーマとして問われています。にもかかわらず、論点が多く、非常に複雑な分野であり、マスターするのがとても大変な項目でもあります。更に令和5年3月28日の通達により、単独申請することができる登記が拡大され、さらに相続人申告登記という新しい制度もスタートしたため、おぼえるべき事項が増えました。全体的に重要なテーマであるため、メリハリをつけるのが難しいですが、本試験で出題される事項はほぼ決まっているため、よく出題される箇所を中心に押さえていきましょう。
2 各肢の簡単な講評
ア いわゆる特定財産承継遺言(「相続させる」旨の遺言)に基づいて遺言執行者が相続人に代わって相続を原因とする所有権の移転の登記を申請することができるかを問うものです。以前は、遺言執行者は、相続を原因とする登記については、その権限が顕在化せず、相続人に代わって申請することが認められていませんでしたが、令和元年の通達により認められるようになりました。
イ 相続を原因とする所有権の移転の登記を申請する場合には、相続(一般承継)があったことを証する情報を登記原因証情報として提供する必要がありますが、被相続人の登記記録上の住所と戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)の被相続人の本籍が異なるときは、更にその同一性を証する情報の提供が必要になります。当該情報としては、①住民票の除票の写し、②戸籍の附票の写し、③被相続名義の登記済証(本問)を提供していくことになります。
ウ 被相続人が死亡した後、その相続の登記の申請前に更にその相続人(中間相続人)が死亡した場合(いわゆる数次相続の場合)において、最終の相続以外の相続が結果として単独相続であるときは、一の申請情報によりこれらの相続の登記を申請することができます。これは、非常に重要な知識ですので確認しておきましょう。この場合であっても、中間相続人は所有権の登記名義人とはならないため、その住所を証する情報を提供する必要はありません。
エ 相続を原因とする所有権の移転の登記が法定相続分の割合によってされた後に、相続人の一部の者が相続の放棄をした場合、他の相続人は、単独で、相続放棄を原因とする所有権の更正の登記を申請することができます。そして、当該相続の登記が相続人の債権者の代位によってされた場合には、その更正の登記の申請に際して当該債権者の承諾を証する情報の提供が必要になります。なお、当該債権者が相続財産である土地につき差押えの登記をした場合でも、当該債権者は、相続放棄の絶対効により他の相続人にこれを対抗することができませんので、併せて押さえておきましょう。
オ 現時点では、細かい知識だと思います。不動産登記法の改正により、相続が発生した場合、相続人は、相続財産に属する不動産について、相続の開始及び当該相続により所有権を取得したことを知った時から3年以内に相続の登記をしなければならなくなりました。もっとも、法定相続分の割合による相続の登記がされた場合でも、その後の遺産分割により、法定相続分の割合を超えて当該不動産を取得した場合には、分割の日から3年以内に所要の登記をすることが求められます。
以上です。おつかれさまでした。
