2026/02/28 19:14
こんばんは。
不動産登記法第27問 抵当権の登記①
1 総 評
本問は、抵当権の登記について主として登記先例の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢イ、肢ウ及び肢エです。抵当権の登記の問題は、近年の本試験では、令和7年第24問(抵当権又は根抵当権の登記)、令和6年第22問(抵当権又は根抵当権の登記)及び令和5年第23問において出題されています。抵当権の登記については、ほぼ毎年メインテーマとして出題されており、また、記述式についてもかなりの確率で出題の題材となる項目です。しかも、その論点は膨大で、すべてを押さえることは得策ではありません。出題されやすいところを中心に押さえるとよいでしょう。
2 各肢の簡単な講評等
ア 本肢は、以前にも出題したことがあるテーマです。債権一部譲渡を原因とする抵当権の一部移転の登記がされた後、その譲受人がその譲り受けた債権を第三者に譲渡した場合には「年月日債権譲渡」を原因とする「○番抵当権何某持分移転」の登記を申請することになります。なお、この場合、「譲渡額」は、登記記録上明らかですから申請情報の内容とする必要がありません。
イ 不動産登記法の知識ではなく、民法の「時効」の知識を問うものです。抵当不動産が時効取得された場合、当該抵当権は消滅するのが原則です。もっとも、その時効取得者が抵当権の被担保債権の債務者である場合には、当該抵当権は消滅しません。したがって、「年月日所有権の時効取得」を原因とする抵当権の抹消の登記を申請していく場合には、その時効取得者が債務者でないかどうかに注意を払う必要があります。
ウ 抵当権の被担保債権の債務者が死亡した場合において、その共同相続人の一部の者に抵当債務を承継させるときは、「相続」を原因としてその共同相続人の全員を債務者とする抵当権の変更の登記を申請した後に、「免責的債務引受」を原因として特定の相続人を債務者とする抵当権の変更の登記をしなければならないのが原則です。もっとも、遺産分割で特定の相続人に抵当債務を承継させ、これについて債権者の同意があるときは、「相続」を原因として特定の相続人を債務者とする抵当権の変更の登記をすることができます。
エ 抵当権は、将来債権についても被担保債権とすることができます。貸金債務の保証人の主たる債務者への求償債権を被担保債権とする抵当権については、「年月日保証委託契約による求償債権年月日設定」を原因として抵当権の設定の登記をすることができます。なお、住宅ローン債権を被担保債権として抵当権を設定する場合には、銀行が個人(主たる債務者:借主)にお金を貸しつけ、その銀行の系列の保証会社の借主に対する求償債権を被担保債権として抵当権を設定する場合が非常に多いです。実務では、抵当権の設定の登記のほとんどが「年月日保証委託契約による求償債権年月日設定」を原因とするものになっています。
オ 抵当権者を誤って登記してしまった場合であっても、その抵当権の登記を流用して、「真正な登記名義の回復」を原因とする真正な抵当権者への抵当権の移転の登記をすることはできません。この場合、その抵当権の登記を抹消して、真正な抵当権者を権利者とする抵当権の設定の登記を申請しなおす必要があります。
以上です。おつかれさまでした。
