2026/03/01 20:19

こんばんは。

Regal Labo代表のらくです。
今朝出題した不動産登記法第28問(抵当権の登記②)の問題の簡単な講評を公開いたします。
らく

不動産登記法第28問 抵当権の登記②

 総 評

  本問は、抵当権の登記について不動産登記法その他の関係法令及び登記先例の内容を問う問題です。本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢イ及び肢ウです。これらの肢についての知識は、すべて過去の本試験で問われたことのあるものです。すべて本試験で数回出題されたことのある重要な知識なので押さえておきましょう。そのほか、肢エは、少し細かい知識ですが、特徴的な知識ですので押さえておいて損はないかと思います。肢オは、記述式で出題されるかもしれない知識です。管轄違いの不動産を目的とする共同抵当権の設定の登記が出てきた際には、注意したいものです。

 各肢の簡単な講評

ア 権利能力なき社団又は財団を抵当権の債務者として登記することができるか否かについて問うものです。不動産の登記の登記名義人となるためには、その者が権利能力を有するものでなければならないのが鉄則です。しかし、抵当権の債務者は、「登記名義人」ではなく、抵当権の被担保債権を特定するための要素に過ぎません。したがって、権利能力のないものであって、債務者として登記することができます。なお、権利能力なき社団を抵当権者として登記することはできませんので注意しましょう。

イ 複数の物件について抵当権設定契約をしたにもかかわらず、その一部について抵当権の設定の登記を留保することが認められるかを問うものです。たとえば、抵当権の設定の登記において利息は任意的登記事項ですが、その申請をする場合に、その登記原因証明情報(契約書)に利息に関する定めが記載されているときは、これを申請情報の内容としなければ、その申請は、不動産登記法25条8号により却下されてしまいます。しかし、抵当権の設定契約書に複数の物件に抵当権が設定されている旨が記載されていたとしても、当事者(特に貸主側)の特段の意思表示があれば、その一部について抵当権の設定の登記を留保することが認められています。

ウ 特に記述式で注意を要する事項です。抵当権について「弁済」が出てきたら、誰による弁済なのかを注意する必要があります。次に、注意を要するのは、代位弁済による抵当権の移転の登記について、弁済額が被担保債権の全部なのか一部なのかです。一部の場合には弁済額を申請情報の内容とする必要があります。対して、全部の場合には、設定の登記時に債権額として登記されていますので、申請情報の内容とする必要がありません。

エ 抵当権者について「債権者更改による新債務担保」を原因とする抵当権の変更の登記を申請する場合には、旧抵当権者を登記権利者として申請します。旧抵当権者のあずかり知らぬところで、登記がされることを防止する趣旨です。なお、同原因による登記は、抵当権の移転の登記によるべきとする見解もありますが、法務省は、記録例(平成28年6月8日民二386号)において「抵当権の変更の登記」によるべきものとしています。

オ 複数の物件に抵当権を設定した場合には、各物件について登記原因の日付が異なるときであっても、一の申請情報によって登記を申請することができます。この場合、不動産の表示の欄にその日付を記載することになります。

以上です。おつかれさまでした。