2026/03/06 20:35
こんばんは。
不動産登記法第33問 賃借権の登記
1 総 評
本問は、賃借権の登記について不動産登記法その他の関係法令及び登記先例の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢イ、肢ウ及び肢オです。賃借権の登記についての問題は、近年の本試験では、令和元(平成31)年第19問及び平成30年第22問においてメインテーマとして問われています。前回の出題から7年ほど経っているため、そろそろ出題されてもおかしくない項目です。また、先の民法(債権法)改正により、賃貸人の地位の留保の制度が法制化されました。これによって、賃借権の設定の登記について新たな原因もできました。本問を通じて学習していただければと思います。
2 各肢の簡単な講評等
ア 賃貸人の地位の留保による賃借権の設定の登記について問うものです。賃貸借の目的不動産の譲渡があった場合、譲渡人及び譲受人が賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨並びに譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人の地位は譲受人に移転しません(民605条の2第2項前段)。この場合、譲渡人を賃貸人とする賃借権の設定の登記を申請することができます。これが、本問の登記です。詳細は、令和2年3月31日法務省民二第328号の7(2)(20頁)をご覧ください。
イ 賃借権の登記は、同一の不動産に複数設定することができます。これは、賃借権が債権であるため、物権である地上権や永小作権のような排他性がないためです。この知識は、司法書士試験の頻出事項ですので、入門者や初級者の方も必ず押さえておいてください。
ウ 賃借権の登記においては、賃料のみが絶対的登記事項となります。もっとも、建物の所有を目的とする賃借権については、「目的 建物所有」として目的が登記事項となります。この場合、その賃借権は、借地借家法の適用を受けることとなるため、その旨を公示する必要があるからです。
エ 賃借権の設定の登記を申請する場合において、賃貸人が財産を処分する権限を有しないときは、その旨が申請情報の内容となります。この場合、「被保佐人 (住所)何某の設定した賃借権」と申請情報に表記します。
オ 賃借権の登記についても、他の権利と同じように一部移転の登記をすることができます。なお、賃借権は、持分を目的とすることはできませんので、注意しましょう。
以上です。おつかれさまでした。
