2026/03/15 18:56
こんばんは。
不動産登記法第40問 登録免許税の計算
1 総 評
本問は、不動産の登記を申請する場合における登録免許税の額の計算に関する登録免許税法の知識を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢イ及び肢ウです。平成29年度から令和7年度までの間においては、登録免許税の計算に関する問題は、令和元(平成31)年度を除き、毎年出際されています。本試験では、不動産登記法の択一式の最後の問題として出題されるパターンが定着しているようです。その出題方式は、単に税率を問う簡易なものから記述式の問題に準ずるような長文を読ませて、登記原因となる事実から申請すべき登記について納付すべき登録免許税の合計額を計算させる難解なものまで様々です。択一式の戦略としては、後者の問題が出題された場合、飛ばして商業登記法の問題に移るのが得策です。登録免許税の計算の問題に限らず、難しいと思ったものは他の受験生も特定することは難しいですから、臨機応変に対応して、より特定できるようなプランを考えておくとよいと思います。
2 各肢の簡単な講評等
ア 遺贈を原因とする所有権の移転の登記については、受遺者が相続人であるか否かによって適用される税率が異なります。また、これと関連して、遺産分割による持分の移転の登記を申請する場合にも、持分取得者が相続人であるか否かによって適用される税率が異なりますので、確認しておきましょう。
イ 登録免許税の税率の計算でも、用益権(地役権を除く。)の登記については、設定と移転の税率が同じで、いずれも不動産の価額に1000分の10を乗じた額です。そして、移転のうち相続を原因とするものである場合、1000分の2となります。なお、相続その他の一般承継を原因とする移転の登記については、所有権の場合1000分の4、用益権の場合1000分の2、担保権の場合には1000分の1となります。
ウ 地役権の設定の登記の場合には、承役地の個数を基準とする定額課税となり、承役地1個につき1500円となります。本試験は、これを「要役地の個数」としてひっかける問題が大好きです。なお、地役権の変更の登記については、範囲を拡大するものである場合でも、承役地1個につき1000円となります。
エ 管轄の異なる複数の不動産について共同根抵当権の設定の登記を申請する場合、最初の申請以外の登記については、前の登記の登記事項証明書しなければなりません。そして、当該登記事項証明書が減税証明書も兼ねているため、共同根抵当権の追加設定の場合には、必ず登録免許税の額が不動産1個につき1500円となります。これに対し、根抵当権以外の担保権の設定の登記の申請においては、登記事項証明書の提供が必要的ではないため、前の登記の登記事項証明書を提供しなくても、基本の税率により計算した登録免許税の額を納めるのでれば、登記を受けることができます。
オ 管轄の異なる複数の不動産に設定された(共同)根抵当権の全部譲渡を原因とする移転の登記についても、登録免許税法第13条第2項が適用されます。したがって、最初の申請以外の場合において、前の登記の登記事項証明書を提供すれば、不動産1個につき1500円で根抵当権の移転の登記を受けることができます。
以上です。おつかれさまでした。
