2026/03/17 19:00
みなさん。おつかれさまです。
不動産登記法第42問 管理人等が行う登記
1 総 評
本問は、管理人等が行う登記についての登記先例の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢イ、肢ウ及び肢エです。管理人等が行う登記についての問題は、近年の本試験では、平成29年度第16問においてメインテーマとして出題されています。また、その他の年度においても、問題の一部として出題されているものもあります。管理人等が行う登記においては、①そもそも当該管理人等がその登記の申請を本人に代わってすることができるのか、②①ができる場合には、その登記の申請において提供すべき代理権限を証する情報が重要です。特に清算型遺贈については、記述式の問題で問われることも考えられるため、お手持ちのひな形をチェックしておくとよいでしょう。
2 各肢の簡単な講評等
ア 非常に細かい知識に関する問題です。中上級者の方も含めて、無視していただいて大丈夫です。
イ 被相続人が生前に売却した不動産の所有権の移転の登記を相続財産の清算人が申請する場合に、家庭裁判所の許可を要するか否かを問うものです。結論としては、家庭裁判所の許可はいりません。家庭裁判所の許可が必要なのは、相続財産法人に属する不動産について売買を原因とする所有権の移転の登記を申請する場合、つまり被相続人の死亡後にその所有に係る不動産を売却して所有権の移転の登記を申請する場合です。時系列に注意です。
ウ いわゆる清算型遺贈に関する登記を遺言執行者が相続人に代わって申請することができるかについて問うものです。清算型遺贈について注意すべきことは、「遺贈」を原因とする登記は登場しない点です。そして、①相続による所有権の移転の登記、②売買による所有権の移転の登記の2件の登記によって構成される点です。これら2つの登記は、遺言執行者が相続人を代理してすることができるものとされています。重要な知識ですので、ひな形を確認しておきましょう。
エ まず、前提知識として、不動産の共有者の一部の者が相続人なくして死亡した場合には、民法255条と958条の2のいずれが優先適用されるかを復習しておきましょう。これは民法の知識です。その上で「民法958条の2の審判」を原因とする持分の移転の登記の勉強に移ってください。当該原因による登記は、特別縁故者が単独で申請することができます。なお、相続財産の清算手続によって特別縁故者に分与されなかった財産については「年月日特別縁故者不存在確定」を原因として他の共有者への持分移転の登記を申請することができます。この登記は、相続財産の清算人と持分取得者が共同で申請すべきものとされています。
オ 不在者の財産に属する不動産について「時効取得」を原因とする所有権の移転の登記を不在者財産管理人が本人に代わって申請する場合には、家庭裁判所の許可を証する情報の提供が必要です。この場合、不在者は、本来、その不動産について時効の完成猶予又は更新の措置をとるべき者であり、時効取得を原因とする所有権の移転の登記を申請することは、その権限を超える「不動産の処分」に準ずるものとなるからだと思われます。
以上です。おつかれさまでした。
