2026/03/22 18:50

こんばんは。

Regal Labo代表のらくです。
今朝出題した会社法第3問(自己株式の取得)についての簡単な講評等を公開いたします。

会社法・商法第3問 自己株式の取得

 総 評

  本問は、自己株式の取得について会社法の規定の内容を問う問題です。

  本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢イ及び肢エです。自己株式の取得についての問題は、過去の本試験では、平成29年第29問(自己株式・自己新株予約権)において出題されています。自己株式に関する事項は、やや細かい項目であり、中上級者の方であってもしっかりとマスターしている方は少ないと思います。したがって、今後の本試験で自己株式に関する事項が出題された場合には、会社法・商法の分野の難易度が上がる要因となると思われます。細かいところは気にしなくても大丈夫なので、過去問で出題されている箇所のみ押さえて、頻出分野の攻略に時間を費やす方がおすすめです。自己株式の取得については、深入りをしないようにしてください。

 各肢の簡単な講評

ア 自己株式の取得の期間を問うものです。自己株式を取得する場合、まず株主総会の普通決議によって、①取得する自己株式の数、②取得対価の内容及び総額、③取得期間を定めなければなりません。株主総会の決議によって、自己株式の取得に関する事項の大枠を定める感じで押さえていただければよいと思います。そして、③については、1年を超えることができないこととされています。

イ 特定の株主のみに対して下記ウの事項を通知する場合には、株主総会の決議によって、大枠に関する事項の決定と併せて自己株式の取得に関する事項の通知を当該特定の株主のみに対して行う旨を決定する必要があります。そして、当該決議は、株主総会の特別決議によらなければなりません。これは、当該通知を受ける株主が会社から特に優遇されることを防止する趣旨です。そして、この場合、当該通知を受ける株主は、特別利害関係人として議決権を行使することができません(会社160条4項)。

ウ 自己株式の取得の大枠に関する事項を株主総会の決議によって定めた後は、取締役会の決議(取締役会設置会社でない株式会社にあっては、取締役の決定)によって会社法157条に定める事項(細目)を決定します。そして、この細目を定めた後に、株主に対し、当該事項を通知(会社法上の公開会社にあっては、公告に代えることができる。)します。

エ 特定の株主に対してのみ自己株式の取得に関する事項を通知する場合には、他の株主に対しては、特定の株主に自己を加えたものを株主総会の議案とすることを請求することができる旨を通知しなければなりません(原則)。ただし、その株式が譲渡制限株式であって、かつ、その特定の株主が一般(包括)承継によってその譲渡制限株式を取得したときは、会社は、上記の通知をする必要がありません(例外)。もっとも、①公開会社である場合又は②当該一般承継人が議決権を行使した場合には、上記の通知をする必要が出てきます(再例外)。

オ やや細かい知識です。取得条項付株式を取得する場合には、その一部についてのみ取得する旨を定めることができます。この場合には、定款に別段の定めがない限り、株主総会の普通決議(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)によって、その取得する株式を決定しなければなりません(会社169条1項、2項)。自己株式の取得の決定とバランスを取った形です。

以上です。おつかれさまでした。