2026/03/24 18:30

こんばんは。

Regal Labo代表のらくです。
今朝出題した会社法・商法第5問(単元株式数)についての簡単な講評等を公開いたします。

会社法・商法第5問 単元株式数

 総 評

  本問は、単元株式数について会社法の条文の内容を問う問題です。

  本問においてポイントとなるのは、肢イ、肢ウ及び肢オです。単元株式数についての問題は、過去の本試験では、令和6年第29問及び平成28年第29問において出題されています。単元株式の制度を用いた場合、株主の管理に関する費用を節約することができるため、一般に、多数の株主を有する上場会社において広く利用されているようです。単元株式数を設定した場合には、登記事項となるため、その定めの設定による変更の登記を申請しなければなりません。したがって、記述式でも出題の題材となります。また、単元株式数を設定している株式会社が記述式の問題における処理の対象となった場合には、議決権の数の計算がより複雑となるため、細心の注意を払う必要が出てきます。

 各肢の簡単な講評等

ア 種類株式発行会社がある種類の株式についてのみ単元株式数の設定をすることができるかどうかを問うものです。これについては、肯定する見解と否定する見解とで議論が別れています。学説上は、これを肯定する見解が多いようですが(前田・会社法入門〔第12版〕p138)、登記実務は否定説に立っているようです(民事月報57-6p106)。したがって、登記の専門家である司法書士の登用試験である司法書士試験においては、否定説に立って解答すれば足りるものと思われますが、問題文や肢の組合せ等から総合的に判断していただければと思います。

イ 単元株式数の設定は、定款の変更に当たりますから、株主総会の特別決議を必要とします(会社466条、309条2項11号)。また、単元未満株主の権利を制限するものですから、当該株主総会において、単元株式数を定めることを必要とする理由の説明が求められます(会社190条)。もっとも、株式の分割と同時に単元株式数を設定する場合や単元株式数を減少し、又は廃止する場合には、取締役の決定又は取締役会の決議によって、その旨の定款の変更をすることができます(会社191条、195条1項)。

ウ 単元株式数を設定した場合には、単元未満株主は、株主総会又は種類株主総会において議決権を有しません(会社188条1項)。これと比較すべきなのが議決権制限株式です。会社法108条1項3号によれば、議決権制限株式を有する株主は、「株主総会」において議決権を行使することができませんが、種類株主総会においては議決権を行使ることが認められます。

エ 株券発行会社は、単元株式数を設定した場合であっても、単元未満株主に対し株券を発行しなければならないのが原則です。もっとも、単元未満株式に係る株券を発行しないことができる旨を定款で定めることができることとされています(会社189条3項)。本試験は、この結論を逆の形(「株券発行会社は、定款に別段の定めがある場合に限り、単元未満株式に係る株券を発行することができる。」のような形)できいてきます。

オ 単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができます(会社192条1項)。この権利の行使にあたっては、定款に別段の定めを設ける必要はありません。それどころか、定款に別段の定めをすることはできません(会社189条2項4号)。また、財源規制(会社461条)にも服しません。なお、単元未満株主の株式売渡請求は、定款に別段の定めがなければ、認められません(会社194条1項)。上記の両制度については比較しておきましょう。

以上です。おつかれさまでした。