2026/03/26 20:33
こんばんは。
会社法・商法第7問 募集株式の発行等②
1 総 評
本問は、募集株式の発行等についての会社法の条文の内容を問う題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢ウ及び肢オです。募集株式の発行等についての問題の過去の本試験での出題状況については、昨日の夜に公開した「募集株式の発行等①」についての講評等の記事をご参照ください。今日の問題は、昨日のものよりは簡単だったと思います。ポイントとなる肢は上記の3つに絞りましたが、本問の5つの肢は、いずれも基本事項なので、押さえておきましょう。
2 各肢の簡単な講評等
ア 会社法上の公開会社でない株式会社において、株主に割当てを受ける権利を与えない方法により募集株式の発行をする場合には、株主総会の特別決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができます(委任決議)。この委任決議は、払込期日又は払込期間の「末日」が委任決議のあった日から1年以内である募集のものについて効力を有します。払込期間の「初日」ではないことに注意してください。
イ 株主割当てによる募集株式の発行に際して、募集事項等を株主総会の決議により決定した場合における株主への通知の要否について問うものです。この通知は、株主が募集株式について割当てを受ける権利がある旨を知らせるものですから、募集事項の決定が株主総会の決議によるものであったとしても、省略することができる類のものではありません。これと比較したいのが会社法201条3項の通知です。この通知は、第三者割当てによる募集株式の発行の差止めの機会を保障するものですから、公告に代えることもできますし、株主総会の決議によって募集事項を決定した場合には、する必要がありません。
ウ 募集株式が譲渡制限株式であるときは、その割当ての決定は、定款に別段の定めがない限り、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)決議によって行います。そして、株主総会によって決すべき場合には、「特別決議」が必要となります。普通決議では足りませんので、注意したい事項です。
エ 検査役の選任の申立てをすべき時期について問うものです。検査役の申立ては、募集事項の決定後遅滞なく行わなければなりません。現物出資財産が給付された後ではありませんので、ここも注意しましょう。なお、検査役の選任の申立てが免除される場合(会社207条9項)については、記述式でも重要となりますので、必ず押さえておきましょう。
オ 募集株式の発行による引受人の払込金額を履行する債務については、当該引受人が会社に対して有する反対債権と相殺することはできません。出資額に相当する財産が確実に会社に拠出されることを確保する趣旨です。なお、会社の側から相殺したり、相殺契約を締結したりすることは禁じられていません。
以上です。おつかれさまでした。
