2026/03/29 19:45
こんばんは。
会社法・商法第10問 株式会社の株主総会以外の機関の設置及び役員等の選任
1 総 評
本問は、株式会社の株主総会以外の機関の設置及び役員等の選任について会社法の条文の内容を問うものです。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢ウ及び肢エです。株式会社の株主総会以外の機関の設置及び役員等の選任についての問題は、過去の本試験では、メインテーマとして出題されたことはありませんが、問題の一部としてよく出題されます。特に、機関設計や株主総会における選任決議の要件及び権利義務の承継が重要です。これらの事項は、記述式の問題の題材ともなりますので、頭に入れるのはもちろんですが、現場で使える知識として活用することができるようブラッシュアップしておきましょう。
2 各肢の簡単な講評等
ア 会計監査人を置かなければならないのは、①大会社、②監査等委員会設置会社、③指名委員会等設置会社の3つです。記述式でも問われる基本中の基本事項ですので、初学者の方も含めて瞬時に判断できるようにしておきましょう。なお、会計監査人を置いた場合には、上記の②及び③を除き、業務監査権限をもった監査役も置かなければなりませんので、連想できるようにしておきましょう。
イ 公開会社であって、かつ、大会社である監査役会設置会社であって、その発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならないものとされています(会社327条の2)。日本国の資本市場が信頼される環境を整備し、特に大きな会社(上場会社等)において社外取締役による監督を保障することを国内外にアピールすることが同条の趣旨であるとされています。なお、この場合であっても、社外取締役である旨を登記する必要はありませんので、注意しましょう。
ウ 株主総会の普通決議については、定款で別段の定めをした場合には、定足数を廃することができます。もっとも、役員(取締役、会計参与及び監査役)の選任及び解任については、定足数について議決権を行使することができる株主の3分の1まで減らすことしかできず、廃することはできません(会社341条)。なお、会計監査人は、会社法上の「役員」ではありませんので、その選任及び改任について会社法341条は適用されません。
エ 監査役設置会社において、取締役が監査役の「選任」についての議案を株主総会に提出しようとするときは、監査役(の過半数)の同意を得なければなりません。これによれば、取締役AがBを監査役に選任する旨の議案を株主総会に諮ろうとする場合であっても、既存の監査役Cがこれに同意しなければ、Aは、その議案を株主総会に提出することができないことになります。
オ 役員(取締役、会計参与及び監査役)が欠けた場合又は定款で定める員数を欠く場合には、その役員であった者は、後任者が就任するまでなお当該役員としての権利義務を有します。もっとも、正規の役員が就任した場合のほか、裁判所の選任により一時役員としての職務を行うべき者(仮役員)が就任した場合も、その権利義務が解消されます。商業登記の記述式において注意すべき事項といえます。
以上です。おつかれさまでした。
