2026/04/08 19:00
こんばんは。
会社法・商法第19問 株式会社の発起設立
1 総 評
本問は、株式会社の発起設立についての会社法の条文の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢イ及び肢オです。株式会社の設立についての問題は、毎年出題されていますが、その中で発起設立のみを扱う問題が、令和7年第28問において出題されています。株式会社の設立の方法については、発起設立と募集設立とがありますが、本試験では、これらの区別なく(混合して)出題されるのが近年一般的となっています。そして、先述したように、株式会社の設立についての問題は、毎年出題されています。令和8年の本試験においても、ほぼ間違いなく出題される項目です。もっとも、株式会社の設立に関するすべての知識がまんべんなく出題されるわけではなく、よく出題される箇所が決まっていますので、そこを中心に輪を広げる学習をするとよいと思います。
2 各肢の簡単な講評等
ア 発起人の氏名及び住所は、定款の絶対的記載事項です。したがって、その記載のない定款は、無効となります。ポイントは、発起人については、住所まで定款に記載しなければならない点です。これは、会社の設立について各発起人の責任の所在を明らかにする趣旨です。
イ ①現物出資、②財産引受け、③発起人の報酬その他の特別利益、④設立の費用については、定款に記載がなければ、その効力を生じない事項です。これらは講学上「変態設立事項」と呼ばれます。このうち、①及び②については、その定款記載の価額の総額が500万円を超えない場合には、検査役の調査が不要とされています。③や④については、この少額免除の特例は適用されません(会社33条10項1号)。
ウ 発起設立の場合、設立時取締役は、株式会社の成立前であれば、発起人の議決権の過半数によって選任することができます。ポイントは、会社法の条文上、発起人の「議決権」の過半数となっているところです。「発起人の過半数」ではありませんので注意しましょう。
エ 発起人については、設立時発行株式の払込みをしない場合には、失権手続を経て、失権することになっています(会社36条1項)。なお、設立時募集株式や株式会社の設立後の募集株式の引受人については、払込をしない場合には、当然に失権することとなります。失権手続はありませんので注意しましょう。
オ 発起人が株式会社の株主となる時期について定めた会社法50条1項の知識を問うものです。出資の履行と同時に株主となるわけではありませんので注意が必要です。
以上です。おつかれさまでした。
