2026/04/10 20:04
こんばんは。
会社法・商法第21問 株式会社の解散及び清算
1 総 評
本問は、株式会社の解散及び清算についての会社法の条文の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢イ及び肢ウです。株式会社の解散及び清算に関する問題は、近年の本試験では、令和6年第32問及び令和2年第31問においてメインテーマとして出題されています。解散後の株式会社(清算株式会社)において特に重要なのは、機関設計と解散後の株式会社であってもできること(又はできないこと)です。機関設計については、清算人会及び監査役又は監査役会の組合せとなり、通常の株式会社と比べて単純です。また、解散後の株式会社は、清算の目的の範囲内においてのみ存続しますが、意外とできることが多いです。テキストには、予備校が発行しているもの又は市販のテキストのいずれにも、まとまった表が掲載されていると思いますので、総ざらいしておきましょう。
2 各肢の簡単な講評等
ア 株式会社は、①解散した場合には清算が開始します。この他にも、清算が開始する場合として、②株式会社の設立無効の訴えに係る請求認容判決が確定した場合、③株式移転の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定した場合が会社法475条各号に掲げられています。なお、新設合併の無効の訴え及び新設分割無効の訴えについては、請求を認容する判決が確定した場合であっても清算は開始しませんので比較しておきましょう。
イ 株式会社が解散時に公開会社「又は」大会社であった場合には、清算株式会社には、監査役を置かなければなりません(会社477条4項)。なお、清算株式会社においても、株式の譲渡制限に関する規定を設ける定款の変更をすることが可能ですが、解散時に公開会社であった場合には、解散後に非公開会社となったときであっても、監査役を置く旨の定款の規定を廃止する定款の変更をすることはできませんので、注意しましょう。
ウ 清算株式会社の監査役については、任期を定めた会社法の規定がありません。また、株式の譲渡制限に関する規定を廃止する定款の変更をした場合であっても、監査役は、退任しません。これらのことは、清算人についても、同様です。なお、監査役の監査の範囲を会計に関する者に限定する旨の定款の定めを廃止した場合には、解散前の株式会社の場合と同様に、監査役は退任することになります(会社480条1項2号)。比較しておきましょう。
エ 清算株式会社の残余財産の分配は、「残余」という言葉が表しているとおり、債権者に弁済して残った財産がその対象となります。もっとも、存否又は額について争いがある債権に係る債務について弁済するための財産を留保した場合には、例外的に、弁済前においても、残余財産を分配することができます(以上につき会社502条)。
オ 本試験において、残余財産の分配の手続に関する問題は、あまり出題がありません。したがって、細かい知識に当たりますので、あまり気にする必要はありません。残余財産の分配については、剰余金の配当の場合のように、株主総会の承認を得る必要はありません。それよりも、問題を初めて見た時に細かい知識の肢に手を出さなかったかを確認しましょう。
以上です。おつかれさまでした。
