2026/04/12 17:08
こんにちは。
会社法・商法第22問 社 債
1 総 評
本問は、社債についての会社法の条文の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢イ及び肢エです。社債についての問題は、近年の本試験では、令和5年第33問及び平成30年第33問(社債管理者)においてメインテーマとして出題されています。このことからも解るように、社債についての問題は、本試験では、5年に1度出題される程度で、また、社債は登記事項とはされていませんので、対策が手薄になりがちです。深入りする必要はありませんが、基本事項については、株式との異同を意識しながら押さえておきましょう。
2 各肢の簡単な講評等
ア 募集社債の発行に当たっては、募集株式の発行の場合と同じように、その都度、金額や利率などの募集事項を定めなければなりません(会社676条)。もっとも、社債の発行については、募集株式の発行の場合とは異なり、会社の業務の執行(会社384条1項、2項)に当たりますから、取締役会設置会社でない株式会社においても、株主総会の決議による必要はなく、取締役の過半数の決定によれば足りるものと解されています。これは、基本事項ですので、おさえておきましょう。
イ 募集社債が発行された場合、社債を引き受けようとする者(申込者)は、会社による社債の割当てによって、当然に社債権者となります(会社680条)。募集株式の発行の場合のように、申込者による金銭の払込みを待つ必要はありません。なお、社債権者は、募集社債の金額の払込みをする義務と、会社に対して有する債権とを相殺することができます(最判平15.2.21)。これら2つの事項は、基本事項ですので、押さえておきましょう。
ウ 社債が2人以上の者の共有に属する場合には、会社に対して権利を行使すべき者一人を定めてその氏名又は名称を会社に通知しなければ、当該者社債についての権利を行使することができません。株式の場合と同趣旨です。深い意味はありません。
エ 会社が社債を発行した場合には、会社は、社債権者のために、社債管理者を設置しなければなりません(会社702条)。もっとも、①「各」社債の金額(「総額」ではないことに注意!)が1億円以上である場合、②ある種類の社債の総額を各社債の金額の最低額で割った数が50を下回る場合(当該種類の社債の社債権者が50人未満である場合)には、社債管理者を置く必要がありません。なぜならば、①の場合には、大口の投資家の場合ですので、その権利を自ら保全及び実行することが期待できるからです。また、②の場合には、当該種類の社債の発行が多数の投資者の利害に影響を与えないからです。なお、社債管理者を置かない場合には、そのことを募集事項で定めなければなりません(会社676条7号の2)。
オ 社債管理補助者は、令和元年の会社法の改正によって新しく登場した制度です。社債管理者を置かない場合には、社債管理補助者を置いて、社債権者のための社債の管理の補助を委託することができます。ただし、当該社債が担保付社債である場合には、担保の受託者が社債の管理に当たるため、社債管理補助者を置くことができません。過去問の蓄積がない現段階では、細かいことは大丈夫ですので、大枠だけ押さえておきましょう。
以上です。おつかれさまでした。
