2026/04/13 18:00
こんばんは。
会社法・商法第24問 持分会社の社員②
1 総 評
本問は、持分会社の社員について会社法の条文の内容を問う問題です。
本問においてポイントとなるのは、肢ア、肢イ及び肢エです。持分会社の社員についての問題の近年の本試験における出題状況に関しましては、昨日(4月12日)に公開いたしました記事をご覧ください。昨日に引き続き、持分会社の社員についての問題を出題いたしました。持分会社についての問題は、本試験では、ほぼ毎年出題されますが、特に社員については、条文数が多いため(会社580条~606条)、出題されやすい項目となっています。この中でも特に出題が多いのが、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡(会社585条2項)、競業の禁止(会社594条)及び利益相反取引の制限(会社595条)、社員の加入(会社604条)です。持分会社については、条文知識が問われる場合がほとんどなので、条文の内容をしっかりと確認しておきましょう。
2 各肢の簡単な講評等
ア 持分会社の有限責任社員が無限責任社員となった場合には、その無限責任社員は、有限責任社員であった時の持分会社の債務についても、無限責任社員として弁済する責任を負います(会社583条1項)。なお、無限責任社員が有限責任社員となった場合には、当該無限責任社員であった者は、責任の変更の登記をする前に生じた債務については、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負います(会社583条3項)。これらは、比較しておきましょう。
イ 持分会社において社員が複数ある場合には、その業務を執行する社員を定款で定めることができます(会社591条1項)。もっとも、業務を執行する社員は、定款に別段の定めがない限り、正当な事由がなければ、辞任することができません(同条4項、6項)。なお、解任についても、同様です(同条5項)。これに対し、株式会社の役員等は、正当な事由の有無にかかわらず、辞任・解任することができます。
ウ 持分会社の業務を執行する有限責任社員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該有限責任社員は、連帯して、これによって第三者に生じた損害の「全額」を賠償する責任を負います(つまり無限責任を負うことになる)。会社法597条のとおりです。では、業務を執行する無限責任社員がその職務を行うについて第三者に損害を加えた場合はどうでしょうか。当該無限責任社員の行為が不法行為責任の要件を充足する場合には、会社が損害賠償責任を負うことになりますから、当該無限責任社員は、会社法597条のような規定がなくても、持分会社と連帯して、その全額を自己の財産をもって弁済する責任を負うことになります。
エ 合同会社の社員の責任は、株式会社の株主のものと同様に、間接有限責任となります。ですから、定款を変更した後においても、出資が完了していない場合には、会社への出資が完了した時に当該合同会社の社員となります。これに対し、合資会社の有限責任社員は、会社債権者に対して直接弁済する責任を負うので(直接有限責任)、定款変更時に、出資の履行が完了しているかどうかにかかわらず、当該合資会社の社員となります。
オ 会社法609条1項及び2項のとおりです。社員の持分を差し押さえた債権者は、6か月前に予告すれば、事業年度の終了時に当該社員を退社させることができます。もっとも、当該社員から弁済又は担保の提供を受けた場合には、その予告の効力は、消滅します。弁済を受けた場合には、そもそも退社させる必要はなくなりますし、担保の提供を受けた場合には、その担保を実行して弁済を受ければよいからです。
以上です。おつかれさまでした。
